認知症の介護

どのように認知症の人をケアすればよいのでしょうか?

認知症の診断認知症診断のガイドラインの要約をご紹介します。

 

診断基準についてもっと詳しく知りたい!

以下は、認知症診断のガイドラインとされるDSM-4、DMS-ⅢR、ICD-10の要約です。
これだけでは認知症を判断することはできません。

アルツハイマー型認知症の診断基準(DSM-4)(要約)

世界で最も広く用いられる認知症のガイドラインとして、アメリカ精神医学界が作成した診断基準がDSM-4です。

  1. 多彩な認知欠損の発現で、それは以下の両方により明らかにされる。
    1. 記憶障害(新しい情報を学習したり、以前にしていた情報を想起する能力の障害)
    2. 次の認知気9脳の障害が1つ以上ある
      1. 失語(言語の障害)
      2. 失行(運動能力は障害されていないのに、運動行為が障害される)
      3. 失認(感覚機能が障害されていないのに、対象を認識または同定できない)
      4. 実行機能(計画を立てる、組織化する、順序立てる、抽象化する)の障害
  2. 上記の認知障害は、その各々が、会社的または職業的機能の著しい障害を引き起こし、また、病前の機能水準からの著しい低下を示す。
  3. 経過は、ゆるやかな発症と持続的な認知の低下により特徴づけられる。
  4. 上記Aに示した認知機能の障害は以下のいずれによるものでもない。
    1. 記憶と認知に進行性の障害を引き起こす他の中枢神経疾患
      (例:脳血管障害、Parkinson病、Huntington病、硬化下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍)
    2. 認知症を引き起こすことが知られている全身性疾患
      (例:甲状線機能低下症、ビタミンB12欠乏症、葉酸欠乏症、ニコチン酸欠乏症、高いCa血症神経梅毒、HIV感染症)
    3. 外因性物質による認知症
  5. 上記の障害は意識障害(せん妄)の期間中だけ出現するものではない。
  6. 障害は他の主要精神疾患(例:うつ病、精神分裂病など)ではうまく説明されない。

DMS―ⅢR 認知症の診断基準(要約)

  1. 記憶(短期・長期)の障害
  2. 次のうち少なくとも1項目以上
    1. 抽象的思考の障害
    2. 判断の障害
    3. 高次皮質機能の障害(失語・失行・失認・構成障害)
    4. 性格変化
  3. A・Bの障害により仕事・社会生活・人間関係が損なわれる
  4. 意識障害のときには診断しない(せん妄の除外)
  5. 病歴や検査から脳器質因子の存在が推測できる

1987年 米国精神医学会DSM-ⅢR
(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders. 3rd Ed. Revised Ed.)

ICD-10 認知症の診断基準(要約)

  1. 次の2項目が存在
    1. 日常的に支障をきたす記憶障害
    2. 認知機能障害
  2. A項の症状を明らかに確認できる十分な期間が存在
    周囲の状況を認識する能力は保たれている(意識混濁を認めない)
  3. 次の1項以上を認める
    1. 情緒的不安定性
    2. 易刺激性
    3. 無関心
    4. 社会行動における粗雑さ
  4. A項の症状から明らかに6ヶ月以上存在して確定診断される

1994年 世界保健機関ICD-10(研究用診断基準)
(International Classification of Disease 10th revision)

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