肥満は認知症へのリスクも高くなります。
以下は肥満や体脂肪、メタボリックシンドロームと認知症の調査研究結果です。
いずれの報告も、肥満やめたボリックシンドロームが認知症の危険因子になることを指摘しています。
食の欧米化や生活習慣の激変などにより、「生活習慣病へまっしぐら」という不健康な生活を送っている人が急速に増えていることが、厚生労働省の調査で分かっています。
そして、その中で特に目立つのが男性の肥満です。
男性の肥満者の割合は30~60代でおよそ3割。
いずれの年代も10年前、20年前より割合が増加している。
一方、女性では60代の31.0%が最高値で、30代でおよそ13%、40代で20%と、割合が減少傾向にあります。
ここ20年間のBMIの推移からみても、男性はすべての年齢においてBMIが高くなっており、身長の伸びに対して体重の伸びが大きくなっています。
フィンランドのKuopio 大学病院・Kuopio大学神経学神経部のVanhanen Matti医師らは地域住民を対象にメタボリックシンドロームとアルツハイマー病の関係について調査し、メタボリックシンドロームの人はアルツハイマー病になりやすいことを認めました。
地域住民を無作為に980人を選び、このうちアルツハイマー病でない認知症を除き959人(男性337人、女性622人で69歳から78歳まで)を対象としました。
メタボリックシンドロームの判定はNational Cholesterol Education Program の基準とし、アルツハイマー病の診断はNational Institute of Neurological and Communicative Disorders and Stroke-Alzheimer's Disease and Related Disorders Associationの基準によりました
その結果、418人(43.6%)にメタボリックシンドロームを認め、45人(4.7%)にアルツハイマー病を認めました。
アルツハイマー病はメタボリックシンドロームのないグループよりあるグループにより多く認めました。
特に女性でこの傾向がより多く、男性では関係がはっきりしませんでした。
アポE4、教育、年齢、総コレステロールを同じとしてもメタボリックシンドロームはアルツハイマー病を高めました。
この調査報告の論文は、アメリカ神経学会雑誌Neurologyの2006年9月号に掲載されました。
アメリカのカルフォルニアにあるKaiser Foundation Research InstituteのRachel Whitmer医師らは、肥満と認知症の関係について調べ、特に皮下脂肪が多い人は認知症になりやすいと同州のサンディエゴに開催されているアメリカ神経学会で報告しました。
Whitmer医師らは、1964年から1973年の間で40歳から45歳までの8776人について、上腕と背部の皮膚の厚さを調べました。
背部の皮膚の厚さが最も厚いグループの人は最も薄いグループの人より2.9倍、上腕部では同じく2.6倍アルツハイマー病になりやすいことを認めました。
同医師らは肥満については、身長と体重から計算する肥満度よりも体脂肪を測定する皮膚の厚さを計る方法がよく、皮下脂肪は肥満度、高血圧、糖尿病などのアルツハイマー病の危険因子とは独立した危険因子であると述べています。
(www.charlotte.com 2006年4月5日号より)
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