ヤマブシタケと認知症

ヤマブシタケは認知症を防ぐキノコです。

ヤマブシタケってなに?白く香しい、幻のキノコ

 

ヤマブシタケってなんだろう?

ヤマブシタケは、中国や北米、日本に広く分布する食用きのこの一種で、日本では数少ないサンゴハリタケ科のキノコです。
老人のあごひげに似た真っ白い針がたくさん垂れ下がった、おもしろい形をしたきのこで、大きさは直径5-10cmくらいの球形です。
中には15cm以上の大きさのものもあります。

クヌギ、クルミ、ブナ、シイ、カシなどの広葉樹の樹幹、切り株などに生え、触ると柔らかく全体がスポンジ状になっています。

中国では歴代皇帝が探し求め続けたきのことも言われており、熊の手、ナマコ、フカヒレとともに「四大山海の珍味」のひとつとして古来より珍重されています。
また、消化不良や身体の虚弱改善などさまざまな効果があるとして、食用のほか漢方薬としても親しまれています。

山伏の衣装飾りに似ているから、ヤマブシタケ

ヤマブシタケ

▲ヤマブシタケ

ヤマブシタケの名前にある「山伏=ヤマブシ」とは山野を歩き、仏教の修行をする修験者のことです。
ヤマブシタケの形状がこの山伏が着る鈴懸衣(すずかけごろも)の結袈裟(ゆいげさ)にある丸い飾りによく似ていることから、大正時代の薬草の大家である白井光太郎氏がヤマブシタケと命名し、以来日本ではそう呼ばれるようになりました。
他に、「漏斗茸=ジョウゴタケ」、「針千本茸=ハリセンボンタケ」、「ウサギタケ」などと呼ばれることもあります。

中国では高級食材として知られる「四大珍味」の一つ

ヤマブシタケは中国では「ホウトウクウ(猴頭菇)」と呼ばれ、約400年も昔から食されています。
「猴」とは日本語でテナガザルのことで、「菇」はきのこのことです。
ヤマブシタケが乾燥すると茶系に変色し、その風貌が手長猿の頭に似ていることから、そう呼ばれているようです。

ヤマブシタケにはタンパク質、脂肪、炭水化物のほかに16種類ものアミノ酸が含まれています。
中国では歴代皇帝が探し求め続けた茸とも言われており、熊の手、ナマコ、フカヒレとともに「四大山海の珍味」のひとつとして古来より珍重されているほど。どれほど貴重な食材か想像がつきますね。

中国では食用のほか、漢方薬としても親しまれ、乾燥させたものが、薬物名をそのまま「ホウトウクウ(猴頭菇)」と呼んで売られています。消化不良や身体の虚弱改善など、さまざまな効果があるとして、水やお湯で煎じたり、あるいは醸造酒(黄酒)に浸けたものが広く飲まれています。

白く香しい、幻のキノコ

ヤマブシタケは、森の奥深くにひっそりと自生しています。
群生していない事もあって、自生するヤマブシタケを発見するのは大変難しく、かつては「幻のキノコ」とも言われていました。

栄養・味ともにおいしいヤマブシタケ

ヤマブシタケにはタンパク質、脂肪、炭水化物のほかに、16種類ものアミノ酸が含まれています。
また、豊富な食物繊維、ビタミンB1・B2・B6・B12やカルシウム、ミネラル類も多数含まれています。

特筆すべきは、独特の柔らかさをもった食感です。
フワフワの柔らかい部分に料理のソースや他の食材の味がしみ込んで、自らの味と調和していきます。
何とも言えぬ上品な香りと風味があり、低カロリーで栄養満点。それがヤマブシタケです。

鹿に愛された幻のきのこ?!

日本では古くから、森の中では、発見が難しく「幻のキノコ」とも言われてきました。
江戸時代、貝原益軒は「養生訓」の中で「薬効のある植物を好む鹿は、このキノコに吸い寄せられるように近づいて行く」と書いており、ヤマブシタケを「鹿の玉」と名付けたそうです。
また、江戸時代の薬学者は、「大酒のみのキノコ」とも記しています。

別名、大酒のみキノコ?!

江戸時代の薬学者が書いた著書にもヤマブシタケが登場していて、「たとえ酒が飲めない下戸でもこのキノコを食べると上戸(大酒飲み)になれる”大酒飲みのキノコ”」と記されています。
江戸時代の人々は、ヤマブシタケがアルコールの害を消し、胃炎や肝炎に効果があることを生活の中で自然と身につけてきたのでしょうか。

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