現在、症状をコントロールするために使われている薬は以下の通りです。
・不安・緊張・いらだち・うつ状態 など…抗不安薬
・興奮・攻撃性・幻覚・妄想・徘徊 など…精神安定薬
・うつ状態・無関心・不安・いらだち など…抗うつ薬
・自発性の低下・うつ状態・意欲の減退 など…脳循環代謝改善薬
・不眠・夜間覚醒・昼夜逆転 など…睡眠(導入)薬
以前はこのような薬物療法にしっかりした使用方法のためのガイドラインがなく、それぞれの主治医の経験によって行われていたため、薬を使い過ぎてしまったり、転倒の原因になってしまったりすることが少なくありませんでした。
現在は2010年に日本神経学会が刊行した認知症疾患治療ガイドラインに則り、適正な使用が進んでいます。
認知症の記憶障害そのものに対する治療薬は長いことありませんでしたが、「アリセプト」という名前の薬が1999年に日本で開発されました。
それまでの精神安定薬とは原理がまったく異なるもので、認知症の薬としては非常に画期的なものです。
アルツハイマー型認知症の治療・改善薬として、すでに世界約60カ国で使用されています。
2011年にはアリセプトと同様の作用機序により効果を発揮するレミニール、リバスタッチパッチ、イクセロンパッチという3種類の薬も承認されました。
アリセプトをはじめとするこれらの薬は、神経伝達物質アセチルコリンの分解を行なうコリンエステラーゼを阻害し、その結果、神経細胞間の神経伝達物質量を増加させることにより作用を発揮するコリンエステラーゼ阻害薬と呼ばれる薬です。
リバスタッチパッチとイクセロンパッチは初の貼付剤ということで、介護者が薬の摂取を確認しやすいことが利点といわれています。またアリセプトと同じ作用機序ですが、違う成分の薬が使用できることは、各患者の体質にあった薬を選択する幅が広がるため、非常にメリットが大きいと考えられます。
また同じく2011年から、神経細胞死の進行に関与するNMDA受容体を阻害するという新しい作用メカニズムを持ったメマリーという薬も使用されています。新規の作用機序であるため、アリセプトなどのコリンエステラーゼ阻害薬との併用が可能であり、多剤併用療法による治療効果の増大が期待されています。
残念ながら、治すことは出来ません。
治療薬である抗痴呆薬を飲んでも神経細胞の破壊は進みます。
ですから、完治はしません。ただ、治療薬を服用することで進行を遅らせることは出来ます。
1日中、ボーッとしていた患者が薬を毎日1回飲むと、服用後3~4週間でテレビを見るようになったり、以前の趣味に関心を示すようになったりしたという報告があります。
上記の臨床薬に対し、ヤマブシタケは、脳内のグリア細胞から分泌される神経成長因子(NGF)の増加を介して神経細胞の生存促進、活性化を行うことで認知機能に作用すると考えられています。作用機序が全く異なるため、併用することに大きな問題は無いと考えられます。
また、ヤマブシタケが上記の臨床薬と同じようなコリンエステラーゼ阻害作用およびNMDA阻害作用を持つ可能性は極めて低いと考えられます。これらの薬剤は、作用部位、酵素の細かな種類、投与量などを高度に検討して設計された薬剤でなければ、神経毒となってしまうからです。
よって、今回挙げた治療薬を服用している患者に対しても、ヤマブシタケ製品を摂取することは可能であり、複数の作用点で認知機能低下抑制、改善に作用することになるため、相乗効果が見られる可能性も十分にあると考えられます。
Copyright(C) 2006 教えて認知症予防 All Rights Reserved.
株式会社小野経営サポート 〒103-0027 東京都中央区日本橋3-2-14 日本橋KNビル4F