毎日口にする飲み物。
この中にも認知症の発病を抑えるといわれるものがあります。
こんなに身近なもので手軽に予防ができるなら、是非取り入れてみたいですね。
フランス・トルーズのCasselardit病院のSophie Gillette-Guyonnet医師らのグループは、ケイセキ(silica)が多い水を飲んでいる人ほど、認知機能が保たれていると報告しました。
この研究グループは、フランスの5つの地域に在住する75歳以上の女性7598人について1992年と1994年に調査対象とし、このうちの1地域の対象者1462人について7年にわたってアルツハイマー病の罹患率を調べ、飲み水の消費量とそこに含まれる、ケイセキ、カルシウム、アルミニウムの濃度および食物の消費量についても質問表で調べ、認知機能についても評価し、その後、老年科医と神経内科医が追跡しました。
その結果、ケイセキの濃度が低い飲み水を飲んでいることと認知機能が低くなることに相関があることを認め、ケイセキを多く含む水を飲むことで女性高齢者ではアルツハイマー病を発病する危険度を低めると結論づけています。
カルシウムとアルミニウムについてはこの関係を認めませんでした。
報告者はケイセキを含んだ飲み水でアルミニウムの体内あるいは脳内への蓄積を防いでいる可能性もあると推測していますが、詳しい研究が必要であるとも述べています。
この調査報告は、American Journal of Clinical Nutrition( Vol. 81, No. 4, 897-902, April 2005)に掲載されています。
アメリカ・テネシー州にあるVanderbilt School of MedicineのQi Dai医師らは1週間に3回以上果物と野菜のジュースを飲む人は1週間に1回以下の人よりアルツハイマー病の発病を76%少なくないという調査結果を、アメリカの医学雑誌「The American Journal of Medicine」2006年9月号で報告しました。
同医師らのグループは、1992年ワシントン州キング郡に在住の65歳以上で認知症のない日系アメリカ人1836人を対象とし、1589人から食事内容を自己報告で聞き、10年間追跡しました。
喫煙、教育程度、身体活動などを同じ条件にしてアルツハイマー病になった人とならなかった人とを比較したところ、果物や野菜のジュースを1週間に3回以上飲んでいる人は1週間に1回以下の人より76%アルツハイマー病になりにくいことを、1回または2回飲む人は16%なりにくいことも認めました。
また同研究ではアルツハイマー病のなりやすい因子とされるアポE4の遺伝子をもった人に対しても同じようにジュースで抑制効果があることも確認しています。
同医師らのグループは果物や野菜ジュースに含まれる抗酸化物質のひとつであるポリフェノールが脳を保護してアルツハイマー病などの認知症の抑制効果があるのではないかと述べていますが、アルツハイマー病と食事やサプリメントとの関係に関する研究結果には一致しない点もあり、アルツハイマー病のポリフェノールとの関係も今後の研究が必要としています。
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