現在の日本では、いまだにその原因が解明されていない「アルツハイマー型認知症」と、生活習慣が原因といわれる「脳血管性認知症」の患者数が増加しています。しかし、認知症の原因となる疾患や病態の多くは、生活習慣の改善などで予防が可能です。認知症になってしまってからでは遅いのです。日頃の生活を見直し、いつまでも健康的な生活が送れるように心掛けたいものです。
脳の神経細胞が、なんらかの原因でしだいに壊れていってしまうことによって起こる認知症です。
脳の中で何が起きているかは、MRIによる画像などでかなり明らかになってきていますが、なぜ脳の神経細胞が壊れ始めるのか、今のところよくわかっていません。
代表的な疾患として、アルツハイマー型認知症やピック病、びまん性レビー小体病などがあります。また、皮質下性の認知症としては、進行性核上性麻痺、パーキンソン病、ハンチントン病などがあります。
脳の血管がつまる(梗塞を起こす)ことにより脳機能が低下し、認知症の症状が現れるものです。1箇所だけの梗塞では認知症は起こりにくいのですが、梗塞が小さくても脳のあちこちに多発すると認知症が出現します。また、完全に血管がつまっていなくても動脈硬化が強いと、血液の流れが極端に悪くなり脳の機能が低下して認知症となることがあります。
代表的な疾患としては、脳梗塞後の認知症やビンスワンガ-病などがあります。
内科的な疾患が臓器にあるために、脳に悪影響を及ぼし知能低下を招くものです。代表的な疾患としては、肝臓障害で起こる肝性脳症、肺の病気で起こる低酸素脳症、腎不全で起こる尿毒症性脳症、ビタミン不足で起こるウェルニッケ脳症、甲状腺ホルモンが低下して起こる甲状腺機能低下症などがあります。
頭蓋骨と脳の間には、脳を保護するために脳脊髄液という液体が循環しています。これは、脳の中心部にある脳室という部屋にも存在しているのですが、脊髄液の循環経路の閉塞がないにもかかわらず脳脊髄液が脳室内に過剰にたまってしまう病気が正常圧水頭症です。くも膜下出血の後遺症でも起こりますが、原因がよくわからない例もあります。この場合も、脳に悪影響を及ぼし知能低下を招きます。
髄膜や脳の腫瘍によって認知症の症状が出ることがあります。 脳に発生する腫瘍だけでなく、他の臓器から脳への転移性腫瘍も原因となることがあります。
頭部打撲により、頭蓋骨と脳の間にある静脈が切れ、脳内で出血した血の固まりが脳を圧迫するものることによって起こります。頭部を打撲して1~3ヶ月後に症状が現れますが、本人も忘れている程度の軽い打撲でも起こることがあります。アルコール多飲者に多いといわれています。
以前は脳梅毒が代表的な疾患でしたが、他にウイルス性脳炎の後遺症、エイズ、クロイツフェルドヤコブ病(狂牛病と類似)なども認知症の原因となります。
多量の精神安定剤や、降圧剤で血圧を過度に下げすぎた場合、糖尿病の治療薬で低血糖になっている場合なども認知症の原因となることがあります。
ビタミンB1、ビタミンB12、葉酸などのビタミン欠乏により認知症が発症する場合もあります。
心不全や呼吸不全、重度の貧血で血液中の酸素濃度が低下して認知症症状が出ることがあります。
血液中の電解質(ミネラル)のバランスが崩れて認知症症状が出ることがあります。
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