ヤマブシタケと認知症

ヤマブシタケは認知症を防ぐキノコです。

認知機能障害抑制作用アルツハイマー病予防に期待

 

アルツハイマー病の予防に期待が持てます

 アミロイドβペプチド(Aβ)は、脳内投与により認知機能障害が起こることが報告されており、Aβの蓄積がアルツハイマー病の発症に深く関与していると言われています。
 今回の実験では、ヤマブシタケを投与した群と投与しない群に分けた上で、マウスにAβを投与し、代表的な認知機能を測定する試験を行いました。結果はヤマブシタケを投与した群は認知機能の低下が認められませんでした。ヤマブシタケの経口摂取は、Aβによる認知機能障害を抑制する効果があると考えられ、アルツハイマー病の予防に期待が持てます。

ホクトのヤマブシタケ(妙効1号菌)を使った実験結果

実験1 Y-迷路試験
交替行動(%)=交替行動回数/(総進入回数ー2)×100
この数字が高いほど、直前に進入した通路をよく覚えているということになります。逆に低いほど、今来た道を覚えていない、つまり認知機能が低下していることを示します。③、④はAβを投与、④にはさらにヤマブシタケも投与したマウス群です。①、②は正常なマウスで、②にはヤマブシタケを投与しています。
③は同じ通路を何度も行ったり来たりするので、数値が低くなりましたが、ヤマブシタケを投与した④は、③に比べて高い数値を示しました。このことは、ヤマブシタケがAβによる認知機能障害を抑制したことを表しています。

実験の解説
右の写真のような3個の通路(A、B、C)を繋げたY字型迷路に動物を入れ、探索行動を記録します。正常なマウスは一度出た通路へ舞い戻る行動が少なく、3ヶ所の通路を次々に探索します。しかし、認知機能が低下したマウスは、同じ通路を何度も行き来したり、一つ前に入った通路へ再び入る行動を多くとるようになります。そこで、全体の進入回数に占める、3つの異なる通路への連続した進入(交替行動)の割合を求め、認知機能を測定しました。



実験2 新規対象認識試験
対象認識率(%)=[新規対象探索時間/2つの対象に対する総探索時間]×100
この数字が高いほど、一度見たものをよく覚えているということになります。逆に低いほど、一度見たものを忘れてしまっている、つまり認知機能が低下していることを示します。
③、④はAβを投与、④にはさらにヤマブシタケも投与したマウス群です。①、②は正常なマウスで、②にはヤマブシタケを投与しています。
③は一度見たものを覚えていないので、数値が低くなります。一方ヤマブシタケを投与した④は一度見たものを記憶しているので、数値が高くなります。このことはY-迷路試験と同様、ヤマブシタケがAβによる認知機能障害を抑制したことになります。

実験の解説
右の写真のような試験用の箱に認識対象となる物体とマウスを入れて試験します。初めの2日間は試験場所に慣れさせるため、何も入れない状態でマウスを10分間入れます。3日目にまず2つの同じ物体(A1、A2)を置いた箱にマウスを10分間入れて記憶させます。その1時間後に、記憶させた物体と同じ新たな対象(A3)と新規の対象(B1)を置いた箱の中にマウスを10分間入れ、それぞれの対象に対する探索行動時間を計測します。正常なマウスは記憶した対象より新規の対象に対して長時間の探索行動を行います。しかし認知機能が低下したマウスは一度認識した対象に対しても、新規対象と同じように長時間の探索行動をとるようになります。そこで、総探索時間に占める新規対象への探索時間の割合を求め(対象認識率)、認知機能を測定しました。

新聞にも掲載されました

信濃毎日新聞 2011年5月19日朝刊

このページの上に戻る

00