ホクトでは、東北大学薬学部との共同研究により、ヒトのグリア細胞を用いて、ヤマブシタケ抽出物が神経栄養因子の一つである、NGF(Nerve growth factor:神経成長因子)の生産を促進させることを証明してきました。
(「ヤマブシタケのNGF産生促進作用」資料参照)
このことから、ヤマブシタケはNGFの産生促進を介して神経細胞の生存を促し、認知症を抑制または改善させる効果が期待できると考えられたので、
人による下記の治験を行いました。
ヤマブシタケの認知障害に対する有効性を確認するため、独自に開発したヤマブシタケの品種妙効1号菌(農林水産省 品種登録 第17042号)を使用して、ボランティア協力の下、軽症認知症患者に対する治験を行いました。
治験は14名の被験者にヤマブシタケ乾燥錠剤(96%含有)を、対照として15名の被験者に同形状のプラセボ
(擬似剤)を、それぞれ3 gずつ、16週間飲んで頂きました。その後さらに4週間の観察期間を設けました。
記憶障害の評価は改訂・長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)を用いて行いました。HDS-Rは、医
療福祉現場などで幅広く使用されている知的機能の評価テストです。「年齢は?」など簡単な9問の質問から
なる、30点満点の記憶力の試験で、20点以下になると認知症が疑われますが、25点以下になれば医者に相
談した方が良いと言われています。
治験の結果、ヤマブシタケ摂取グループの被験
者は16週目で、開始時に比べて 1~6ポイントのスコアの上昇が見られました。(図1)
全体のスコアをまとめて統計解析した結果、ヤマブシタケ摂取グループはプラセボ摂取グループに比べ、8週目から有意にスコアが上昇し、その差は
摂取期間が長くなるほど大きくなっていました。また、16週以降、ヤマブシタケの摂取を中止すると、スコアの低下が見られました。(図2)
以上の結果から、ヤマブシタケを継続的に摂取することは、認知機能を改善する効果が 期待できると考えられます。
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