「ちょっとお茶でもしませんか?」
日本人は、しばしば緑茶やコーヒーを飲みながらおしゃべりを楽しみます。
おしゃべりをすこと自体も脳に刺激を与えることですし、他者とかかわることにも同じような効果があります。
このように社交的であることは脳にとって非常に良いことなのです。
オランダ国立公衆衛生環境研究所(National Institute for Public Health and the Environment:RIVM) のBoukje.van.Gelde氏らはコーヒーと認知機能の関係について疫学調査を行いました。
コーヒーを飲む人の方が飲まない人より認知機能の低下が少ないという調査報告がヨーロッパ臨床栄養学雑誌(European Journal of Clinical Nutrition)の電子版8月16日に掲載されました。
調査はフィンランド、イタリア、オランダで1900年から1920年の間に生まれた676人の健康は男性を対象に10年間追跡し、MMSE(短期記憶や物忘れの程度をチェックするもの)で認知機能の変化を調べました。
その結果、コーヒーを飲む人はMMSEが平均1.2ポイント低下したのに対して、飲まない人は1.4ポイント低下しました。
また、コーヒーを1日3杯飲む人の低下が最も少なく0.6ポイントでした。
これは飲まない人と比べると4.3倍低下してないことになります。これはコーヒーに含まれるカフェインの作用によると同研究グループは推測しています。
なお、アメリカ全国コーヒー協会(National Coffee Association)はこの調査結果について、効果はカフェインだけでなく、コーヒーに含まれるマグネシウムはポリフェノール酸も関与していると見解を述べ、またバランスのとれた食事をとりながら適量のコーヒーを飲むことを勧めています。
東北大学医学部:社会医学講座公衆衛生学分野:栗山博士の研究グループが行った試験で、緑茶を1日2杯以上飲めば頭の冴えを保つ可能性があると発表しました。
この試験は、年齢70歳以上の日本人約1,000人を対象としたもので、被験者は、記憶、見当識、命令遂行能力、注意からなる意識状態の試験を受け、また緑茶等の飲料をどの程度の頻度で飲むかを研究者に申告しました。
上記の試験スコアに基づいた場合、緑茶を最も多く飲むと申告した群では、認知障害を示す割合が最も低かったと同研究グループは発表しています。
栗山博士の試験では、1日2杯以上緑茶を飲むと、認知障害のリスクが最も低いことが分かっています。
1杯の緑茶を飲む回数が週3回以下の人と比較した場合、1日2杯以上緑茶を飲む人の場合、試験スコアで認知障害範囲である割合が54%低いという結果が出ています。
これよりも緑茶を飲む回数が低い場合でも結果はそれほど悪くはなく、1杯の緑茶を週4-6回飲む人では、1杯の緑茶を飲む回数が週3回以下の人に比べ認知障害を示す割合が38%低いという結果でした。
この知見は『American Journal of Clinical Nutrition』2006年2月1日号に掲載された日本の試験に基づいています。
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